クリスマスと言えば、クリスマスケーキ。
クリスマスケーキと言えば、イチゴのデコレーションケーキ。
チョコレートケーキとかチーズケーキっていう選択もありますが、やっぱりクリスマスは、イチゴがまるごとドーンって乗ったケーキがほしいですよね。。。
ここ小笠原では、物資の流通は月に5回ほど。
欲しいときに欲しいものが買えないっていうことには慣れているんです。
夏~秋の台風や、冬~7春の爆弾低気の影響で、船が遅れてきたり欠航になったりすることはあるので、野菜や乳製品難民になることには、個人的には慣れているのです。
でも!
クリスマスケーキには、どうしてもキレイなイチゴが欲しいんです!!!
おがさわら丸の運航とクリスマスとイチゴ問題
クリスマスにいちばん近いおがさわら丸の入港日は「クリスマス便」と呼ばれ、22~24日になることが多いのですが(その年によって変動します)
今年(2021年)のクリスマス便入港日は24日でした。
なんと、クリスマスイブ!!
船が到着して、商品が商店に並ぶのは午後14時過ぎ。
クリスマスケーキが欲しいのはクリスマスイブですよね。
・・・クリスマスイブの日の14時過ぎにイチゴを買いに行ったら、クリスマスケーキに間に合わないのです・・・
なので、ひとつ前の船で到着したイチゴを保管しておかなければなりません。
今回は、18日に入港した船で届いたイチゴを24日まで保管することになりました。
クリスマスケーキ用イチゴ保存の苦悩
イチゴって、傷みやすいのです。
パックに並べられた下段のイチゴは前後左右が他のイチゴやパックに接触しているし、上段に並べられたイチゴも、パックを覆うセロファンと密着しています。
そこが「アザ」になってしまうんですよね・・・
こんな風に↓↓↓
内地(本土)に住んでいたら、イチゴは買ってきたその日に使うか、必要な日に買いに行きますよね?
でも、この島ではそれができません。
おがさわら丸は東京・竹芝桟橋を午前11時に出港してから、24時間かけて小笠原諸島・父島に到着します。
では、午前11時に出港する船に乗っているイチゴは、いつ収穫されてパック詰めされたものなのでしょう・・・?
・・・少なくとも、おがさわら丸東京出港日の前日ですよね・・・?
詳細は分かりませんが、収穫されてから小笠原に到着して商店に並ぶまでには、48時間前後はかかっていると思われます。
なので、到着したイチゴをなるべく早く保存処理したいのですが・・・商店に予約した商品を受け取ることができるのは入港日翌日。
なるべく早く保存処理を施したいので、おがさわら丸入港翌日の朝に引き取りに行きます。
今回も入港翌日の朝に引き取って下処理を開始したものの・・・
アザだらけのA級品たち。。。
ガックリするけど、仕方ありません。
そこからは、イチゴたちに愛情を伝えて、クリスマスイブまで生き延びてもらわなければ!
イチゴの保存方法
購入してきたイチゴは、ひとつひとつをやさしく手に取ってヘタを取り除き、タッパーに重ならないように並べます。
A級品でも、この時点で半分くらいはアザができているので
『愛してるよー!』
『がんばって~!』と
声をかけてフタをします。
重なってパック詰めされていたイチゴを、各タッパーに一段だけ並べて保存するので、冷蔵庫の中はイチゴのタッパーが占拠(笑)
今回はクリスマスイブまでの日数も長く、どれだけのイチゴがきれいでいてくれるか不安が大きかったので、B級品のイチゴもかなり多めに購入しておきました。
あとは、ケーキ制作日まで祈るばかりです。。。
クリスマスイブ当日のイチゴ作業
ドキドキしながら、あらためてご対面するイチゴたち。
もちろんアザが消えていることはなく、アザ子ちゃんたちはそのアザを取り除いてスライスし、ケーキ内側のサンド用に使います。
数日間を乗り越えて、きれいな外見をキープできた子たちはケーキトップのデコレーション用へ。。。
数が足りないので、あとはB級品から選抜された、ちょっと大きめで形のよい子たちに頼ります。
ケーキのデコレーションに入る前の、この、イチゴちゃんたちとのやり取りが最大の苦労なのです。。。
笑顔を胸に、抱えて過ごすクリスマスイブ
そんな苦悩を乗り越え、ご注文いただいたケーキの配達準備に入るころには割とグッタリ。。。(笑)
ですが、配達先でケーキ箱の窓からのぞき見したお客さまが『かわいい♡』『キレイ♡』『ありがとう』と笑顔で言ってくださると、元気を取り戻せます。
各ご家庭で夜、ケーキ箱から登場するケーキを見たときの子どもたちのうれしそうな顔を想像すると、私もうれしくなります。
今年も、たくさんの笑顔をありがとうございました♡
一年でいちばん神経を使う作業を終えて、配達終了後は放心状態ですが、みなさんの笑顔を思い出し、心をあたためながらワインに酔うクリスマスイブです•*¨*•.¸¸♬
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