『鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい』・・・1981年に公開された映画『悪霊島』のキャッチコピーです。
〇〇歳以上の方は(笑)耳にしたことがあるのではないでしょうか。
平家物語にも登場する妖怪・鵺(ぬえ)。
その正体は意外とかわいいのんきな鳥で、ここ小笠原でもよく見かける鳥なのです。
小笠原のピーポー鳥【トラツグミ】
小笠原の子どもたちに『ピーポー鳥』と呼ばれる鳥【トラツグミ】
繁殖期の4~5月頃、深夜から明け方にかけて『ピー』『ポー』といった声を、静かな島内に響かせます。
『もの悲しげな声』と表現する人もいれば、『風で揺れるブランコのきしむ音かと思った』という人も。
・・・ブランコのある公園って、近くにないんですけどね・・・(笑)
実際の声はこちらです↓↓↓
トラツグミの鳴き声は、見た目とのギャップが大きい
トラツグミは、春先になると散歩中によく見かけます。
遊歩道を歩いていると低空飛行で林内に入っていくので、遊歩道脇から割と近いところに巣があるのでしょう。
漢字で【虎鶫】と書かれる通り、虎(トラ)のような斑点模様をしているのですぐにわかります。
鳩よりは小さいけれどメジロやウグイスに比べればずいぶん大きい身体で、バサバサッと目の前を横切られるとビックリします。
こちらもビックリするけれどそれは彼らも同じようで。。。
パニクって着地に失敗し、道路脇に積もった枯葉で足をすべらせて道路に転げ落ちてさらにパニックとなり、道路脇でコロコロ転がりながらピーピー叫び続けるという。。。
あの、野生動物でしたらもうちょっとしっかりしてください
と言いたくなるほど【のんきちゃん】なのです(笑)
そんなのんきな姿しか見たことがなかったので、明け方聞こえる『ピー』『ポー』という悲しげな声が彼らの声だと知ったときにはビックリしました。
妖怪・鵺(ぬえ)の正体は【トラツグミ】
妖怪・鵺(ぬえ)とは
鵺(ぬえ)とは、顔が猿・胴体が狸・手足が虎・尾が蛇でできている妖怪(!?)のことで、平家物語にも登場します。
平家物語のなかでは『鵺』とは表現されておらず、『不気味な声で鳴く得体の知れないもの』とされていて、その後の書物と結びついて【平家物語に登場する妖怪】とされてきました。
それにしても、描かれている鵺(ぬえ)の想像画・・・【不気味】に思う以前に、よくこんなのを思いついたものですね(笑)
平家物語に描かれる妖怪・鵺(ぬえ)
平安時代末期、夜な夜な聞こえる不気味な声に恐怖した天皇が、病に落ちいってしまいます。
薬を飲んだりご祈禱を受けても治らないので、天皇の側近たちが弓の達人である源頼政に、鳴き声の主である妖怪退治を命じます。
深夜、頼政は家来を連れて、先祖の源頼光から受け継いだ弓を手にして怪物退治に向かいます。
すると、天皇の御殿が不気味な黒煙で包まれ始めました。
頼政が矢を射ると、大きな悲鳴と共に妖怪が二条城の北側へ落ちていきます。
それを家来が取り押さえて、とどめを刺しました。
やがてお城には静けさが戻り、天皇の体調も回復します。
いつの世も、国をまとめるような方は多くの悩みを抱えていたのでしょうね。
その中で、夜な夜な聞こえる不気味な声に『この屋敷は妖怪に狙われている』という妄想にかられてもおかしくはなかったでしょう。
・・・実際の姿は、こんなにのんきな鳥なのですが(笑)
【トラツグミ】は妖怪どころかおっとりくん
深夜から明け方にかけて『ピー』『ポー』というもの寂しげな鳴き声を響かせるイメージとは反対に、くりくりお目目でのんきなおっとりくんのトラツグミ。
ピーポー鳥の正体を知ってからは、見かけるたびに気持ちがほのぼのします。
タイムマシーンが使えるのなら、平安の世の人々にぜひ教えて差し上げたいですね(笑)
最近では早朝に、彼らの鳴き声で目が覚めます。
おっとりくんたちが、繁殖のシーズンを迎えているようです。
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