ポトスって、観葉植物の代表格とも言えますよね。
ツヤツヤした葉っぱは美しいし、放っておいても勝手に育ってくれるので手間いらず。
扱いやすいことから、観葉植物の中でも人気が高いようです。
が、しかし!
このポトスが野生化した姿を見たことがありますか?
今回は、私が小笠原に移住したばかりの頃に驚愕した野生の【巨大ポトス】をご紹介します。
観葉植物の代表・ポトス
ポトスと言えば、観葉植物の代表格。
ツヤのある葉は美しく、土がなくても水さえあれば育つ強者。
観葉植物初心者にも扱いやすい、人気の植物ですよね。
私も都心に住んでいた頃は、家で育てていたものです。
手のひらの半分ほどのちいさな美しい葉っぱが、南方では脅威を感じるほどの大きさになるなんて、考えたこともありませんでした。。。
小笠原で巨大ポトスに出会う
島の繁華街から少し離れた山あいで初めて見たときには目を疑いました。
これ・・・ポトス!?
地面をはっている葉っぱは、確かに知っているポトスの葉っぱ。
でも隣りの樹をつたってまとわりつき巨大化した葉っぱは、まるで違う植物のようです。
そこに、ポトスのかわいらしさはまったくありません。。。
一般的なサイズと思われるポトスの葉と比べてみました。
高木に絡みついて上方へと伸び、手の届かないようなところにある葉はもっと大きいのです。
・・・ポトスって、こんなに大きくなるの!?
小笠原のポトスも最初は観葉だった
葉植物として小笠原にポトスが持ち込まれたのは、戦前の昭和初期頃のようです。
戦争が激化し、住民が強制疎開を余儀なくされてから放置され、野生化していったのです。
ポトスの原産国は赤道直下
ポトスの原産国は、タヒチやフレンチポリネシアなどのソロモン諸島。
赤道に近い熱帯地方ですね。
ここ小笠原は、亜熱帯地方。
育った環境に近い気候の中で、のびのびと成長してきたのでしょう。
ポトスはヤギも食べない
小笠原で【ノヤギ】と呼ばれている野生のヤギも、第2次世界大戦中の強制疎開により放置されて増えた生物のひとつです。
現在、ノヤギは【小笠原固有種】と呼ばれる貴重な植物を食べてしまうなどの問題により駆除の対象にされています。
そのヤギも駆除作業が行われる前には島内を自在に動き回っていたので、彼らがポトスを食べてくれればこんなに増えることはなかったでしょう。
でも、ヤギも食べない理由はポトスに【毒】があるからなのです。
ポトスに含まれる不溶性シュウ酸カルシウム
ポトスには【不溶性シュウ酸カルシウム】と呼ばれる成分が含まれます。
シュウ酸カルシウムは【アクが強い】とされる野菜、ホウレンソウや里芋に多く含まれます。
パイナップルやキウイフルーツなど、南方系の果物を食べたときに口の中がチクチクする感じがしますよね。
アレです。
シュウ酸カルシウムの結晶はこちら↓↓↓
見ているだけで痛い・・・
ちなみに、英語名は『Devil’s Ivy』(デビルズ・アイビー)『悪魔の蔦(ツタ)』!
これではヤギも食べないはずですね。
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外来種を持ち込むことの脅威
小笠原諸島はいままで大陸と繋がったことなない【海洋島】と呼ばれる島です。
海底火山の噴火によって海上に誕生し、長い年月をかけて独自の生態系が作られてきました。
植物やちいさな生物たちは外敵のいない中で、なかよくのんびり育ってきたのです。
そこへ大陸で生存競争に打ち勝ってきた強い生物が入り込むと、ぬくぬく育ってきたのんびり君たちは負けてしまいます。
これポトスなの?
すごーい!
っておもしろがっている場合ではないのです、実は。
・・・初めて見ると、ついおもしろがってしまうのは否めないのですが・・・
幸いなことに、巨大ポトスが見られるのはもともと民家のあった周辺。
希少植物の多い山林まで勢力を広げないように見守っていきたいですね。
【巨大ポトスの壁】の動画はこちらからどうぞ↓↓↓
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コメント
こんにちは♪
巨大なポトスは植物園などの温室では見たことがあります。
自然の中で見られるなんて、やっぱり小笠原は温かいんですね。
でも、人が持ち込んだものだとは…
とても考えさせられます。
貴重なお話をありがとうございます。
長い歴史を重ねてきた自然と、進化を求める人間が共生していくのは難しいですね。。。
大きな自然の中で暮らしていると、考えさせられることがたくさんあります。
できるだけたくさんの人が、自然界を尊重しながら生活するという考え方を持てることを祈っています♪**