小笠原では、街路樹として植えられていることの多い【旅人の木】(タビビトノキ)。
ハイビスカスやブーゲンビリアのように色鮮やかな花が咲くわけではないので、人の目に留まることはあまりないようです。
でも実はこの【旅人の木】(タビビトノキ)、自然界の色とは思えないような鮮やかな色の種をつけるのです。
その色が、まるで小笠原の海の色みたいなんですよ!
「ボニンブルー」と称される、美しい小笠原の海。
その青が、海以外の場所でも見られるなんてスゴイですよね!
今回は、知る人ぞ知るボニンブルーの種を持つ【旅人の木】(タビビトノキ)をご紹介していきます。
旅人の木(タビビトノキ)ってどんな木?
【旅人の木】(タビビトノキ)はマダガスカル産の常緑多年草で、大きくなると10mを越える高さにまで成長します。
マダガスカルの気候は、蒸し暑い熱帯性気候と温暖湿潤気候、乾燥した半砂漠気候が入り混じっています。
小笠原は亜熱帯気候ですから、似たような気候ではありますね。
原産のマダガスカルと気候が似ていて育てやすいという点から、道路沿いや公園に植樹されているののでしょう。
沖縄の島々でも、公園や畑の防風林として植えられているようです。
成長すると葉が扇状に広がるので「扇芭蕉」(オウギバショウ)とも呼ばれています。
【旅人の木】(タビビトノキ)という名前の由来
【旅人の木】(タビビトノキ)と呼ばれる所以は諸説ありますが、
1・「葉柄」(ようへい)と呼ばれる、葉と茎を接続している柄の部分にたまった雨水が、旅人の乾いた喉をうるおしてくれた
2・葉の開きが東西に向かって広がるので、旅人にとってはコンパス的な役割をしていた
の2点が大きな理由のようです。
小笠原で見かける【旅人の木】(タビビトノキ)は自生ではなく植えられたものなので、葉の開きが必ず東西を向いているというわけではありません。
旅人の木(タビビトノキ)の種の色は鮮やかなボニンブルー
冬から春にかけて、【旅人の木】(タビビトノキ)の葉柄(ようへい)の隙間から花のつぼみが出てきます。
あまりにも大きいので、「花のつぼみ」という表現は似合いませんね(笑)
私はまだ花にお目にかかったことはないのですが、花の形はゴクラクチョウカのような形をしています。
花が枯れて種ができると、ボニンブルーの種が見えてきます。
種そのものはこげ茶色ですが、青い糸のようなものに覆われているのです。
鳥に見つけられやすいように、こんな鮮やかな色を持つようになったのでしょうか。
(鳥が種を食べて、他の場所に糞を落とすことで種の拡散につながります)
ゴクラクチョウカ科の割には花の色が地味だなーと思っていましたが、種を鮮やかに彩ることで、拡散を狙っているのかもしれませんね。
子孫を広げようとする自然の力ってスゴいなー。
ちなみに、売っていたりするのかな・・・って思って調べたら、けっこうな高額で販売されていてビックリしちゃいました(笑)
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最後に
やっと見つけた【旅人の木】(タビビトノキ)の種の写真をSNSにアップしたところ、小笠原ハードリピーターの方々から
なにそれー!?
見たことなーい!!
といったコメントを多数いただいたので、こちらの記事でご紹介しました。
こんなに鮮やかな色の花の種があるなんて、ビックリですよね。
アンテナを張っていないと、長年住んでいてもなかなかお目にかかることができないものです。
種を見かける頃はホエールウオッチングのシーズンと重なっていますから、この時期に島を訪れる方は、街路樹や公園に植えられている【旅人の木】(タビビトノキ)にもぜひ目を向けてみてくださいね!
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